【人生最高レストラン】山口智子おすすめ「スプラ」とは?ジョージアの宴料理を解説

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2026年6月13日放送の「人生最高レストラン」のゲストは、俳優の山口智子さんでした。海外旅行を愛する山口さんが「人生最高の一品」として挙げたのが、ジョージアの宴料理「スプラ(Supra)」です。

一日中乾杯が続くという、なんとも豪快なこの宴。番組では「豚の丸焼き」「ハチャプリ」「ヒンカリ」が紹介されました。スプラとはいったいどんなものなのか、ハチャプリ・ヒンカリの正体とあわせて、じっくりまとめてみました。

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スプラとは──ジョージアが大切に守ってきた「もてなしの宴」

スプラとは、ジョージアで開かれる伝統的な宴会のことです。ジョージア語で「テーブルクロス」を意味する言葉が語源とされ、テーブルいっぱいに料理を並べ、ワインを酌み交わしながら客をもてなす文化を指します。2017年には、ジョージアの伝統的な宴会「スプラ」もジョージアの無形文化遺産として登録され、同国の食文化が国際的に注目を集めています。

スプラの主役のひとつが、なんといってもワインです。ジョージアでは「お客様は神からの贈り物」と言われており、ブドウの木は生命と信仰の象徴とされています。そして驚くのがその規模で、スプラでは大量のワインが振る舞われ、さまざまな料理がテーブルに並びますが、料理がなくなると次々に新しい料理が運ばれ(料理がないことは恥とされます)、宴席は12時間以上に及ぶこともあります。

山口さんが語った「一日中乾杯が続く」というのは、決して大げさな話ではないのですね。

この宴を取り仕切るのが「タマダ(Tamada)」と呼ばれる進行役です。一定のルールに基づいて巧みに場を統率する役割で、まずタマダがスプラの趣旨を参加者に語り、その後、乾杯に入っていきます。タマダが「ガウマルジョス!(勝利に!の意)」と乾杯を捧げてから、全員で杯を交わします。

面白いのが、その杯です。乾杯には「カンツィ」と呼ばれる動物の角で作った杯にワインを注ぎます。角なのでテーブルに置くことができず、一度注がれたら飲み干すのが原則とされています。乾杯のたびに飲み干していくのですから、これは相当な酒豪文化です。

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ジョージアの歴史と深く結びついた食文化

スプラの豊かさは、ジョージアの歴史そのものと結びついています。ジョージアの風土は多様性に満ちており、また長い侵略の歴史の中で、国を挙げて食糧生産に重きを置いたことが、豊かな食文化につながっています。葡萄やザクロ、イチジク、クルミ、豆類、野菜と、食材が驚くほど豊富なのです。

そして乾杯の言葉には、ジョージア人の精神が凝縮されています。「ガウマルジョス(勝利に)」で締めくくられる各トーストは、ジョージア人の絆と共同体意識、ワインへの深い敬意を示しています。

ワインは、ワイン発祥地としての誇り、ジョージア人の情熱と生命力、さらには宗教的な象徴としてのキリストの血にまで言及される、ただの飲み物以上の存在なのです。激動の歴史を生き抜いてきたからこそ、人と人とのつながりを祝う宴が、これほど大切にされてきたのですね。

ハチャプリ──「チーズ」と「パン」が名前の由来

番組より

番組でも紹介されたハチャプリは、ジョージアを代表する国民的な一品です。ハチャプリは南コーカサスのジョージアに伝わるチーズ入りパンで、フィリングにはチーズや卵が使われ、最も一般的なのは「スルグニ」と呼ばれるチーズです。名前の由来もチーズから来ていて、「ハチャ=チーズ」「プリ=パン」、つまりそのまま「チーズパン」という意味なのです。

ハチャプリの大きな特徴は、地方ごとに姿がまるで違うことです。円形で最も一般的なのがイメレティ(イメルリ)のハチャプリ、開いたブーツのような形に成形し、熱いパイの上に生卵とバターを乗せて食べるのがアジャリア(アジャルリ)のハチャプリです。

このアジャルリ・ハチャプリは黒海沿岸のアジャラ地方で生まれた舟形で、焼き上がり直前に卵黄とバターを中央に落とし、チーズと混ぜて食べます。とろりとした卵とチーズの濃厚な組み合わせが圧倒的な人気で、SNS映えすることから観光客にも大人気です。船の上の太陽を描いた漁村の料理とも言われ、見た目のインパクトも抜群です。

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ヒンカリ──手づかみでいただく「大きな小籠包」

番組より

もう一品のヒンカリは、見た目はまさに小籠包そっくり。小麦粉の生地に肉の餡を包んで茹でた料理で、小籠包に似ていますが、ものによっては5センチ以上と大きく、「大きな小籠包」と呼ばれます。もともとは山岳地帯のプシャヴィ、ツシェティなどから広まったとされ、ラム肉や牛豚の合い挽きに玉ねぎ、唐辛子、塩などを混ぜた餡を包みます。

このヒンカリ、食べ方に作法があります。

肉は火を通さず生のまま皮で包み、たっぷり肉汁が皮の中にたまるよう、ひき肉にぬるま湯やスープを加えておきます。食べるときは皮を破らず肉汁をこぼさないよう、まず皮を小さく噛み切り、肉汁をそっと吸います。上のつまみ部分は持ち手として残すことが多く、底の方からかぶりついて肉汁をすするのが「正しい食べかた」とされています。

そして意外にも、ヒンカリのお供はワインではなくビールが定番なのだそうです。

豪快に飲み、豪快に食べ、人とのつながりを祝うジョージアのスプラ。山口智子さんが「人生最高の一品」と語った理由が、少しだけわかった気がします。

豚の丸焼きについては、筆者はグアムで結婚式の宴会のときに食べました。言うまでもなく、絶品でした!

それと、日本でもジョージア料理店が増えつつあるそうですけど(筆者は行ったことがないけどね…)、その宴の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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