2026年10月30日放送のABCテレビ『探偵!ナイトスクープ』は、「名作イッキ食い!食欲の秋スペシャル」と題して、食べ物にまつわる過去の傑作VTR3本が放送されました。
今回紹介されたのは、次の3本です。
-
「思い出のドブラーメンが食べたい」(2018年5月18日放送・真栄田賢探偵)
-
「もずくを直接吸いたい少女」(2019年4月26日放送・石田靖探偵)
-
「ピザ屋台の常連客だった少年」(2024年2月23日放送・永見大吾探偵)
どれも『ナイトスクープ』らしいユニークな依頼ばかりでした。
なかでも筆者が最も興味を持ったのが、2018年5月18日に初めて放送された「思い出のドブラーメンが食べたい」です。
ドブラーメン?
最初は、ドロドロした超濃厚な豚骨ラーメンかと思いました。
ところが、そうではありません。
なんと、「ドブの味がするラーメン」だというのです。
これには笑ってしまいました。
しかも、依頼者にとっては、生涯食べたラーメンの中で最もおいしかった一杯だというのですから驚きです。
いったい、どんなラーメンだったのでしょうか。
そして、なぜドブのような味がしたのでしょうか。
番組の内容や2018年当時の放送記録などをもとに、その秘密と感動の結末をご紹介します。
3年間、毎日食べ続けた「ドブラーメン」とは?
依頼者は福岡県に住む当時36歳の男性です。
男性が20代前半だった頃、新しい職場に勤め始めたのをきっかけに、あるラーメン店へ通うようになりました。
そこで出会ったラーメンが、とにかくおいしかったそうです。
どれほど気に入っていたのかというと、なんと3年間、毎日欠かさず食べ続けたというのです。
雨の日も、風の日も、さらには骨折して医師から動かないように言われた日まで、お店に通っていたそうです。
そこまで夢中になるラーメンとは、いったいどんな味なのでしょうか。
ところが、男性が友人や知人にそのラーメンをすすめると、反応は散々でした。
「ドブの味やん!」
なんとも強烈な感想です。
普通なら、そんなことを言われると腹が立ちそうなものですが、依頼者自身も、言われてみれば確かにドブのような味がすると認めていたのです。
それでも、自分にとっては最高のラーメン。
おもしろいですね。
味覚というものは、実に不思議なものです。
店は12年前に閉店!大将の名前も連絡先もわからない
残念ながら、そのラーメン店は、2018年の依頼時点ですでに12年前に閉店していました。
つまり、2006年頃には営業を終えていたことになります。
しかも、依頼者は店主の名前も、連絡先も知りません。
どこに住んでいるのかさえわからない状態でした。
それでも、どうしてももう一度食べたいというのです。
実は、このラーメンには特別な思い出がありました。
新しい職場で働き始めた20代の頃は、仕事がうまくいかず、落ち込むこともあったそうです。
そんな時、いつも食べていたのが、あの独特なラーメンでした。
つまり、単においしいだけの一杯ではなかったのです。
仕事に悩んでいた青春時代、自分に元気と勇気を与えてくれた、かけがえのない味だったのです。
だからこそ、閉店から長い年月が経っても忘れられなかったのでしょう。
今回の依頼には、そんな切実な思いが込められていたのです。
幻のラーメン店は「幸龍軒」と「たんぽぽ」だった!
さて、気になるのは、お店の名前です。
2018年当時の放送を記録したファンブログによると、店主が以前営んでいたお店は「幸龍軒」だったそうです。
その後、「たんぽぽ」というラーメン店にも携わっていました。
この「たんぽぽ」が、うどんチェーン「あずみうどん」と関係のある店舗だったことが、大将探しの重要な手掛かりになります。
真栄田探偵たちは、そのつながりをたどって聞き込みを進めました。
すると、意外にも店主の居場所が判明したのです。
なんと、佐賀県の「あずみうどん」で働いているという情報が入ってきました。
さすが『探偵!ナイトスクープ』ですね。
名前も連絡先も知らない店主を、過去の店のつながりから見つけ出すのですから。
なお、店名やその後の経緯については、2018年当時の視聴記録に基づく情報です。現在の営業状況などは確認できていません。
ついに大将と再会!なんと依頼者の顔を覚えていた
真栄田探偵と依頼者は、店主が働いているという佐賀県のうどん店へ向かいました。
当時の店主は67歳。
長い年月が経過していましたが、元気に働いていたそうです。
そして、驚くことが起こります。
なんと、大将は依頼者の顔を覚えていたのです。
これはうれしいですね。
考えてみれば、3年間も毎日欠かさず食べに来てくれたお客さんです。
店主にとっても、忘れられない存在だったのでしょう。
ラーメンを作る人と、それを食べる人。
普段は何気ないやり取りであっても、毎日顔を合わせることで、特別な関係が生まれていたのかもしれません。
そして、依頼者は大将に、長年の願いを伝えます。
もう一度、あのラーメンを作ってほしい。
大将は、その願いを快く引き受けてくれたのでした。
ドブラーメンの秘密は「豚骨の血抜きをしない」こと!
さあ、ここからが最大の見どころです。
いったい、どうやってドブのような味を再現するのでしょうか。
通常、豚骨ラーメンを作る際には、豚骨を下処理して血や汚れを取り除きます。
血抜きや下ゆでを行うことで、余計な臭みを抑え、豚骨のうま味を引き出すわけです。
ところが、番組(当時)で紹介された大将の調理法は、かなり独特でした。
なんと、豚骨の血抜きをあえて行わないというのです。
さらに、通常より多くの豚骨を使い、濃厚なスープを作っていたそうです。
これによって、豚骨特有の強い香りやクセが際立つラーメンになっていたと考えられます。
なるほど!
だから「ドブの味」と表現されたのですね。
真栄田探偵も、再現されたラーメンを味わい、「ケモノの味」と評していました。
これまた、すごい表現です。
決して万人受けするラーメンではなかったのでしょう。
しかし、その強烈な個性こそが、依頼者を夢中にさせていたのです。
ちなみに、豚骨ラーメンにはもともと独特の獣臭さがあります。
豚骨を長時間煮込むことで、脂肪や骨髄などの成分がスープに溶け込み、濃厚な風味が生まれます。
ただし、すべての臭いがうま味につながるわけではありません。
血抜きを省略すれば必ずおいしくなるというものでもなく、臭みの出方は材料の状態や調理方法によって変わります。
大将が作っていたラーメンは、こうした強烈な風味を持つ、非常に個性的な一杯だったのでしょう。
12年ぶりの一杯!依頼者が涙ぐんだ理由とは?
大将の手によって、ついに幻のドブラーメンが復活しました。

当時350円のドブラーメン、復活!(番組より)
依頼者にとっては、まさに夢にまで見た瞬間です。
長い年月、もう二度と食べられないと思っていたラーメン。
あの頃、仕事に悩みながら毎日のように食べていた一杯です。
久しぶりに口にすると、懐かしい味がよみがえりました。
「ドブうまっす!」

番組より
依頼者は感激のあまり、涙ぐんでいました。
その姿が、実に印象的でしたね。
真栄田探偵にしてみれば、獣臭さの強い、とてもクセのあるラーメンだったかもしれません。
しかし、依頼者にとっては、どんな有名店のラーメンにも負けない最高のごちそうだったのです。
おいしい料理には、味や香りだけでは説明できない魅力があります。
誰と食べたのか。
どんな気持ちで食べていたのか。
その時、自分は何をしていたのか。
料理には、その人の人生の記憶が刻み込まれていることがあります。
今回のドブラーメンも、まさにそうでした。
単に失われた味を再現しただけではなく、依頼者の青春時代そのものを取り戻したような感動があったのです。
ラーメン店が閉店した意外な理由にも驚き!
ところで、当時の放送記録には、もう一つ興味深いエピソードが残っています。
大将が最初に営んでいたラーメン店を閉めることになった理由です。
なんと、女性関係の事情があったと言っていました。
これには、真栄田探偵も依頼者も苦笑い。
依頼者は、自分が毎日通って支払っていたラーメン代のことを思い、何とも複雑な表情を浮かべたようです。
このあたりも『ナイトスクープ』らしい展開ですね。
せっかく感動の再会を果たしたのに、思いがけない話が飛び出して笑いを誘う。
単なる美談で終わらないところも、この番組の魅力だと思います。
「ドブの味」は本当にまずい?ラーメンの好みは人それぞれ
今回の放送を見て、改めて感じたのは、味覚の奥深さです。
一般的に、ラーメンのおいしさを語るときには、スープのコクやうま味、麺との相性、後味などが注目されます。
ところが、今回のドブラーメンは少し違います。
人によっては敬遠してしまうほどの強烈なクセが、依頼者にとっては何よりの魅力だったのです。
ラーメンの世界には、こうした個性の強い一杯が存在します。
特に九州の豚骨ラーメンには、豚骨の香りを強く残したタイプもあります。
一方で、豚骨スープでありながら臭みを抑え、まろやかに仕上げる店もあります。
どちらがおいしいかは、まさに好みの問題でしょう。
そして、今回の依頼者のように、人生の思い出と結びついている場合、その味の価値はさらに特別なものになります。
他人からどれだけ不評でも、自分にとっては最高。
そうした一杯に出会えること自体、幸せなことなのかもしれません。
『探偵!ナイトスクープ』は、やっぱりおもしろい!
今回の「名作イッキ食い!食欲の秋スペシャル」は、実に楽しめました。
「もずくを直接吸いたい少女」も、「ピザ屋台の常連客だった少年」も、それぞれにおもしろさがありました。
しかし、筆者にとって最も印象に残ったのは、やはりドブラーメンです。
そもそも「ドブの味がするラーメンをもう一度食べたい」という依頼が成立すること自体、普通のテレビ番組では考えにくいでしょう。
しかも、単に変わったラーメンを紹介するだけではありません。
すでに閉店した店の大将を捜し出し、本人に再現してもらい、長年の願いをかなえるところまで調査するのです。
そこには笑いがあり、驚きがあり、最後には感動があります。
『探偵!ナイトスクープ』が長年愛されてきた理由が、よくわかる名作でした。
まとめ|ドブの味でも、依頼者にとっては人生最高のラーメン
2026年10月30日に再放送された「思い出のドブラーメンが食べたい」。
2018年の放送から8年以上が経っても、十分に楽しめる内容でした。
3年間、毎日食べ続けたという驚きのエピソード。
周囲からドブの味だと酷評されながらも、本人にとっては人生最高のラーメンだったという不思議な魅力。
そして、12年前に閉店した店の大将を見つけ出し、再び懐かしい味を口にするという感動の結末。
実に素晴らしい依頼でしたね。
筆者もラーメンは好きですが、さすがに「ドブの味がする」と言われたら、食べるのをためらってしまいそうです。
人にとって最高のごちそうとは、必ずしも高級な料理や有名店の味ではないのですね。
『探偵!ナイトスクープ』らしい、笑えて泣ける名作でした!
参考資料
※2018年の公式放送記録と2026年の番組紹介を基本資料とし、再現場面の細部や店名は当時の視聴記録、今回の放送について提供された内容を参考に構成しています。
関連記事です↓こちらもお読みください



コメント