秋サケがまさかの「88万8888円」!日高の超希少ブランド「銀聖」の正体と、記録的高騰の理由に迫る
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テレビのニュース番組を見ていたら、秋サケが記録的な不漁で高騰しているというニュースが流れてきました。さらに驚いたのは、スーパーで鮭一尾に「88万8888円」という値段がついていたという話です。「はあ、なんだそれ?」と思わず声が出てしまいました。
筆者は北海道の忠類川で何度かサケ釣りをしたこともあり、鮭が大好物です。だからこそ、この値段がどういうことなのか気になって、自分なりに調べてみることにしました。
「88万8888円」の正体は、日高の高級ブランド「銀聖」だった

まず結論から言うと、この驚くような値段は、日高沖で水揚げされる秋サケ(シロサケ)の中でも、ごく限られた条件をクリアした最高級の天然ブランド鮭「銀聖(ぎんせい)」につけられたものです。その品質の高さから「銀毛鮭の王様」とも呼ばれています。
札幌市中央卸売市場で行われた秋サケの初競りでは、日高の「銀聖」などが競りにかけられ、1キログラムあたり18万8888円という、記録が残る2014年以降で最も高い値がついたと報じられています。
北海道の秋の味覚「秋サケ」の初競りが札幌の中央卸売市場で開かれ、1キロ18万8888円の史上最高値で競り落とされました。
1尾あたりの重さに換算すると、まさに「88万8888円」という驚きの値段が生まれる計算になるわけです。
参考:Yahoo!ニュース
「銀聖」として認められる、厳格な基準
「銀聖」を名乗れるのは、日高定置漁業者組合などが定めた厳しい基準をすべてクリアした個体だけです。具体的には、次のような条件があります。
- 産地と漁法:北海道の日高沖で、定置網漁によって傷をつけずに生きたまま水揚げされること
- 魚体(銀毛鮭であること):産卵のために川へ上る前、沖合で捕獲された、鱗が銀色に輝き脂がのった「銀毛(ぎんけ)」であること
- 魚体重:加工前の状態で3.5キログラム以上の大型サイズであること
- 鮮度保持:水揚げ後の鮮度管理が徹底されていること
日高で水揚げされる鮭全体のうち、この条件を満たすのはわずか5%程度といわれるほどの希少性を誇ります。認証された個体には1尾ごとに個体ナンバー入りの専用ラベルが貼られるという、まさに「特別な鮭」なのです。
味わいも別格。上品な脂と美しい身色
銀聖の魅力は、希少性だけではありません。北太平洋でオキアミなどの天然の餌を豊富に食べて育つため、養殖サーモンのようなしつこさのない、自然で上品な脂と旨味が特徴です。シロサケでありながら、紅鮭にも劣らない鮮やかなサーモンピンク色の身をしているのも見どころ。卵(いくら・筋子)も皮が薄く柔らかで、とろけるような甘みとコクがあるといわれています。
とはいえ、初競りの「88万円」「1キロ18万8888円」といった値段は、あくまでシーズン最初の競りで恒例となっている縁起担ぎの「ご祝儀相場」です。
本来の銀聖は高級贈答品や料理店向けが中心で、通常の市場流通価格はそこまで極端にはなりません。それでも、市場に出回ること自体がまれな最高級ブランドであることに変わりはありません。
なぜここまで秋サケは高騰しているのか

では、なぜ今年これほどまでに秋サケが話題になり、価格も高騰しているのでしょうか。背景には、近年深刻さを増す「記録的不漁」があります。
北海道立総合研究機構(道総研)さけます・内水面水産試験場によると、2026年秋の秋サケの来遊数は約365万尾と予測されています。これは記録的不漁だった2025年の約686万尾からさらに半減する水準で今年の秋サケの来遊数は記録的な不漁だった2025年の約686万尾から半減し、約365万尾と予測しています、ピークだった2004年と比べるとわずか6%程度にまで落ち込む見通しだといいます2004年のピーク時と比べるとわずか6%ほどになります。

この不漁の要因として指摘されているのが、海洋環境の変化です。稚魚が放流された2022〜23年頃、黒潮大蛇行の影響で栄養豊富な寒流「親潮」の勢いが弱まり、餌となるプランクトンが不足したことで、稚魚の生き残りや成長に影響が出たとみられています背景には海洋環境の変化がある。稚魚が放流された22〜23年ごろ、黒潮大蛇行の影響で栄養豊富な寒流「親潮」の勢いが弱まり、餌となるプランクトンが不足した。
こうした不漁を受けて、産地の卸値も大きく上昇しています。北海道漁業協同組合連合会によると、2025年のサケの産地卸値は1キログラムあたり1475円と、前年比で5割も上昇したそうです北海道漁業協同組合連合会によると、25年のサケの産地卸値は1キログラムあたり1475円と24年比で5割上昇した。店頭では「1本1万円超え」といった声も報じられており、家庭で気軽に楽しんできた「焼き鮭」が、ぜいたく品になりつつあるとの指摘も出ています。
さらに深刻なのは、資源そのものを支えてきたふ化・放流事業への影響です。放流事業は漁師の負担金によって支えられているため、不漁が続くと財源不足に直結し、将来の資源づくりにも影を落としてしまいますふ化・放流は漁師の負担金で支えられており、不漁は財源不足に直結する。
北海道さけ・ます増殖事業協会の会長も、「近年の急減は想像をはるかに超え、ふ化・放流事業が存続の危機にある」と危機感を語っています北海道さけ・ます増殖事業協会の新谷哲也会長は「近年の急減は想像をはるかに超え、ふ化・放流事業が存続の危機にある」と話す。
まとめ|「当たり前の秋の味覚」ではなくなる日も近い?
秋になれば当たり前のようにスーパーに並んでいた鮭が、今や「贅沢品」になりつつある――。今回の「銀聖」の高値ニュースは、その象徴的な出来事だったといえそうです。
もちろん、88万円級の値段がついたのはあくまで初競りのご祝儀相場であり、日高が誇る最高級ブランド「銀聖」だからこその特別な価格です。ですが、その裏には海洋環境の変化に伴う深刻な資源減少という、根の深い問題が横たわっています。
釣り好きの筆者としては、忠類川でサケを釣った思い出とともに、これからも秋の食卓に鮭が並び続けてほしいと願わずにはいられません。もし店頭で立派な鮭を見かけたら、その一尾がどれほど貴重なものになりつつあるか、少し思いを馳せてみるのもいいかもしれませんね。


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