2026年8月29日放送のテレビ朝日系『人生の楽園』は、山口県山口市名田島(なたじま)が舞台です。
タイトルは「おいでませ 田園のごはん屋さん ~山口市名田島」。
主人公は、妻の故郷である名田島に移住し、「名田島食堂」を営む伊藤啓子さん(52歳)と夫の博明さん(52歳)です。
東京で約30年間、アパレル業界で働いてきた2人が50歳を迎えるころに選んだのは、都会での生活を続けることではなく、田園風景が広がる故郷で新しい人生を始めることでした。
しかも、単に「田舎で食堂を開きたい」という夢だけではありません。そこには、人口減少が進む故郷・名田島を未来へ残したいという強い思いがありました。
今回は、伊藤夫妻のこれまでの経歴や移住・開業までの歩み、そして田んぼの真ん中に誕生した「名田島食堂」の魅力、メニュー、口コミなどを紹介します。
『人生の楽園』に登場する伊藤啓子さん・博明さんとは?

番組情報より
伊藤啓子さんは、山口県山口市名田島の出身です。
名田島は新山口駅から車で数分ほどの場所にあり、米や麦、大豆、タマネギなどの農業が盛んな地域。見渡す限り田んぼが続く、のどかな田園地帯です。
啓子さんの実家も兼業農家で、父親が会社員として働きながら米作りをしていました。
しかし、啓子さんは高校・大学を経て故郷を離れます。
大学卒業後に入社したのが、ユニクロを展開するファーストリテイリングでした。
会社が急成長していく時期に、店長をはじめ、広報・PR、マーケティング、商品企画など幅広い仕事を経験。その後も「JINS」を展開するジンズやアダストリアなどで働き、約30年間にわたってアパレル・小売業界でキャリアを積んできました。
一方、夫の博明さんは東京生まれ、東京育ち。
博明さんもアパレル・服飾雑貨関連の会社で約30年間勤務していました。つまり2人は、長年ファッション業界の第一線で仕事をしてきた、いわば都会派の夫婦だったのです。
40代から考え始めた「これから、どこで生きるのか」
2人に共通していたのが、「60代、70代になった自分たちが東京で暮らしている姿を想像できない」という思いでした。
40歳ごろから、将来暮らしたい場所を探して全国各地を旅するようになります。
博明さんが地方で暮らすことに興味を持つきっかけになったのは、ある旅先で見た商店街でした。
人口減少や高齢化でシャッターを閉じた店が増える一方、若い世代が古い建物を利用して雑貨店やカフェを始めている。その姿を見て、「いつか地方で頑張る人たちを支える仕事ができれば」と考えるようになったといいます。
その思いが、やがて妻の故郷・名田島へとつながっていきます。
人生を変えた「名田島の野菜」
啓子さんにとって大きな転機となったのは2019年でした。
母親と一緒に、名田島の女性たちが運営する「きまぐれ直売所」を訪れます。
そこで食べた採れたての野菜に驚きました。
東京のスーパーで買っていた野菜とは違い、子どものころに食べたような濃い味がする――。
「こんなにおいしい野菜があるのに、直売所で販売するだけではもったいない。料理にして名田島の魅力を伝える食堂を作れないだろうか」
このとき、漠然としていたUターン後の暮らしが、一気に具体的な夢へと変わっていきました。
博明さんも、名田島を訪れるたびに季節ごとに表情を変える田園風景に魅了されていきます。
さらに、自分が好きだったコーヒーを生かし、食堂に珈琲焙煎所を併設することを考えました。
こうして、
啓子さん=名田島の野菜と料理
博明さん=田園風景と自家焙煎コーヒー
という現在の名田島食堂につながる形が生まれていきます。
50歳を迎え、東京から山口へ移住
名田島は美しい農村ですが、人口減少という大きな問題を抱えています。
夫妻が移住を決めた当時、人口は約1100人。過去10年間で約15%減少し、65歳以上が約半数を占める状況になっていました。
啓子さんには、
「このままでは生まれ故郷が消えてしまうかもしれない」
という危機感がありました。
そして2024年春、50歳という人生の節目に2人は東京を離れ、名田島へ移住します。
約30年間積み上げてきたキャリアを捨てることに「もったいない」と言われることもあったそうです。
しかし啓子さんにとっては、これまで企業で新しいことに挑戦してきた経験があったからこそ、50代からの新しい挑戦にも踏み出せたのでしょう。
クラウドファンディングで560万円!地域の期待を背負って誕生
店舗建設にあたって夫妻はクラウドファンディングにも挑戦しました。
掲げたテーマは、
「生まれ故郷を消滅させたくない、未来につなげたい」
というもの。
目標額300万円に対し、最終的には274人から560万円、達成率186%もの支援が集まりました。
これだけの支援が集まったことからも、単なる個人経営の飲食店ではなく、地域の未来を考えたプロジェクトとして多くの人に共感されたことが分かります。
そして2025年5月11日、田んぼの真ん中に「名田島食堂&珈琲焙煎所」がグランドオープンしました。
名田島食堂は「景色までごちそう」の食堂

店舗外観:食べログより
名田島食堂の最大の魅力は、なんといってもロケーションでしょう。
店内には大きなガラス窓が設けられています。

その向こうに広がるのは、名田島の田園風景。
麦の季節には黄金色、田植え後には水田、夏には鮮やかな緑、秋には稲穂――。季節によってまったく違う風景を楽しめます。
窓の大きさや位置まで計算して設計され、まるで一枚の風景画を眺めているような空間になっています。
料理だけではなく、
「この景色を見るために名田島へ来てもらう」
ことも夫妻が店を作った大きな目的なのです。
名田島の新鮮野菜が主役のランチ
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料理の主役は地元野菜です。
店舗のすぐ近くにある「きまぐれ直売所」などから仕入れた採れたての野菜をたっぷり使用しています。
代表的なのが本日のランチプレート1,350円。
サラダをはじめ旬の野菜を使った総菜、肉料理、ご飯などが一皿に盛られます。
内容は季節によって変化し、2~3週間ほどで入れ替わることもあるそうです。
取材時には、名田島産の米粉を使った鶏の照り焼きや、地元産の醤油なども使われていました。
野菜を単なる付け合わせにするのではなく、「野菜そのものをおいしく食べてもらう」という発想が名田島食堂の特徴です。
カレーや鶏肉の野菜巻きなどが登場することもあり、料理内容が変化するのも楽しみのひとつでしょう。
モーニングも人気!フレンチトーストにも注目

名田島食堂では朝8時30分からモーニングも楽しめます。
代表的なのがモーニングプレート1,000円。
地元「鹿野ファーム」のベーコンやソーセージ、朝採れ野菜のサラダ、スープ、トーストなどを楽しめます。
また、フレンチトーストプレート(ドリンク付き)1,200円も人気。
新山口駅前の食パン専門店「二度寝の長州」のデニッシュ食パンを使用し、じっくり火を入れることで、表面は香ばしく、中はふわふわ、とろりとした食感に仕上げています。
田園風景を眺めながら朝食をいただく――。
確かに、少し早起きしてでも訪れたくなる店です。
博明さんが焙煎する「名田島の風景」を表現したコーヒー
食堂には珈琲焙煎所も併設されています。
焙煎を担当するのは博明さん。
店内には本格的な焙煎機が置かれ、豆から自家焙煎しています。
コーヒーには「Asagiri(朝霧)」など、夫妻が感動した名田島の自然をイメージした名前が付けられています。
オリジナルブレンドは複数種類あり、Natajimaブレンドは1杯550円、ランチとのセットなら350円と紹介されています。
食事を終えてすぐ帰るのではなく、コーヒーを飲みながら田園を眺める。
そんなゆったりした時間も、この店の商品なのかもしれません。
名田島食堂の口コミは?
実際に訪れた人の口コミを見ても、料理だけでなく景色や店の雰囲気を評価する声が目立ちます。
食べログでは「田園風景に溶け込む素敵な食堂」「白を基調とした店内がおしゃれ」といった感想があり、カレーの肉の柔らかさや鶏肉の野菜巻き、豊富な野菜、自家焙煎コーヒーなども好評です。
別の口コミでも、野菜たっぷりのランチやキッシュ、田園風景などが評価されています。
Yahoo!マップでも「採れたての食材の料理」「のどかな景色」「ご夫婦の接客」などを評価する投稿が見られます。
豪華さを競うレストランではなく、料理、景色、人、地域そのものを一緒に味わう場所。それが口コミからも伝わってきます。
名田島食堂の店舗情報
店名:名田島食堂
住所:山口県山口市名田島1497-2
営業時間:8:30~15:00
モーニング:8:30~10:00 L.O.
ランチ:11:00~13:00 L.O.
電話:083-600-0070
予約:可
駐車場:あり
アクセス:JR新山口駅から約2.5km。車で5分前後が目安です。
営業日は時期によって変更されています。訪問前に公式Instagram「@natajima_shokudo」で最新の営業カレンダーを確認するのがおすすめです。
※メニューや価格、営業時間などは変更される場合があります。
まとめ|50代から始めた「第二の人生」が故郷の未来につながる
『人生の楽園』に登場する伊藤啓子さんと博明さん。
2人の物語で興味深いのは、会社員生活を終えて静かな田舎暮らしを始めた、という単純な移住物語ではないことです。
約30年間のアパレル業界で培った経験を持つ2人が、その経験を今度は地域のために使おうとしています。
名田島のおいしい野菜を料理にする。
美しい田園風景を店内から楽しんでもらう。
博明さんがコーヒーを焙煎し、新しい名田島の名物を作る。
そして、人が集まり、交流し、「名田島に行ってみたい」と思ってもらえる場所を作る。
夫妻が目指しているのは、食堂というより「名田島の魅力を発信する基地」なのでしょう。
田んぼの真ん中に建つ、小さなごはん屋さん。
そこには、50代から始まった夫婦の第二の人生と、「大好きな故郷を未来につなぎたい」という大きな夢が詰まっています。
『人生の楽園』らしい、これからの生き方を考えさせてくれる物語になりそうです。
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