東京にこんな場所があったのか。奥多摩・鳩ノ巣「さとローグ」旅の常識を変える宿
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2026年5月19日放送の「ヒルナンデス!」に登場し、「あさこ&大久保の新緑美しい奥多摩旅」特集の中で紹介され話題を集めた古民家の宿、Satologue(さとローグ)。番組でもその魅力の片りんが伝わっていましたが、一泊5万5,000円〜という価格設定に「高い!」と思った方も多いのではないでしょうか。
でも、調べれば調べるほど「これは納得できるかもしれない」と思わせる要素が次々と出てきます。今回は、奥多摩の魅力とあわせて、このユニークな宿を余すところなくご紹介します。
奥多摩という場所の底力
まず、舞台となる「奥多摩」についてお話しします。東京都西多摩郡に位置する奥多摩は、新宿から電車でおよそ90分ほどでアクセスできる、都内最大の自然エリアです。多摩川の清流が山間をぬうように流れ、深い緑と岩肌が織りなす渓谷美は、首都圏にいることを忘れさせてくれます。
鳩ノ巣渓谷は、その中でも屈指の美しさを持つスポット。多摩川沿いの巨岩や奇岩が連なる約500メートルの渓谷は、春の新緑、夏の清流、秋の紅葉、冬の静寂と、四季を通じて訪れる人を魅了し続けています。双竜の滝、水神社、鳩ノ巣小橋(吊り橋)など見どころも豊富で、ハイキングの拠点としても人気があります。
名前の由来は、水神社に二羽の鳩が巣をつくり、村人が霊鳥として大切にしたことから「鳩ノ巣」と呼ばれるようになったという、なんとも風情のある話です。渓谷を見下ろすカフェや川のせせらぎ、山の澄んだ空気——「東京にもこんな素敵な場所があるんですね」という感想は、訪れた多くの方の共通の声でもあります。
そして、この奥多摩・鳩ノ巣の地に、これまでの旅の概念を塗り替えるような宿が誕生しました。
「沿線まるごとホテル」という発想

写真引用:アゴダhttps://www.agoda.com/ja-jp/
さとローグのコンセプトは、「沿線まるごとホテル」です。青梅線という一本の路線を「ホテルの廊下」に見立て、沿線に広がる里山や集落全体を宿泊体験として楽しんでもらおうという、非常にユニークな発想です。
運営するのは、地域活性化支援を行う「さとゆめ」とJR東日本の共同出資会社「沿線まるごと株式会社」。建物の設計を手がけたのは、瀬戸内海を航行するラグジュアリー客船「guntû(ガンツウ)」で知られる建築家・堀部安嗣氏です。
青梅・奥多摩エリアは、かつて山から木を切り出し、川辺で筏を組み、多摩川沿いに流して下流の街へ運ぶ林業の要所でした。その歴史ある土地の物語を受け継ぎながら、里の人々とともに新しい価値を生み出していく——それがさとローグの目指す姿です。
到着からすでに旅が始まっている
さとローグへのアクセスは、JR青梅線の鳩ノ巣駅が最寄りです。電車でお越しの方には、ちょっと特別な演出が用意されています。
青梅駅発の対象列車内では、古里〜鳩ノ巣の区間限定で施設の案内アナウンスが流れます(1日1本のみ)。鳩ノ巣駅に降り立つと、地域の方やスタッフが出迎えてくれる**「無人駅チェックイン」**が待っています。里の話を聞きながら施設へ向かうプチツアーは、旅のはじまりとして気持ちを盛り上げてくれます。参加者には周辺地域で使えるクーポン付き旅のしおり「沿線まるごとパスポート」も贈られます。
駅から施設まで歩く道のりも「ホテルの廊下」——この発想の徹底ぶりに、ただならぬこだわりを感じます。
古民家を改修した客室:繭のような空間
宿泊棟は2025年春に完成。築130年超の古民家を改修した建物に、堀部安嗣氏が設計した客室が備わっています。
客室のコンセプトは「繭に入るようにシンプルでミニマム」。広さは35平方メートル、定員は2名のみです。「安心して帰れる場所をつくることで、より外に意識が向かうことを意図した」と設計者は語っており、余計なものを削ぎ落としながらも十分にくつろげる空間に仕上がっています。
アメニティも充実していて、サウナポンチョ・サウナハット・バスタオル・基礎化粧品一式などが揃っています。さらに、野良着と部屋着を掛け合わせた麻100%のオリジナル滞在着も用意されており、館内外での着用が可能です。
夜にはラウンジでバータイムが設けられ、地酒や軽食を楽しめます。奥多摩ゆかりの古本を中心とした蔵書は、お部屋への持ち込みや購入もできるとのこと。静かな夜に、川のせせらぎを聞きながら本を読む——そんな時間がここにあります。
「お庭さんぽ」という名の贅沢
ここが一般的な宿と大きく異なる点のひとつが、施設の庭の豊かさです。
敷地内には養魚場跡地を活用した自社ファームとビオトープがあり、地域の方やスタッフが案内してくれます。畑でその日の食材を収穫する体験も用意されています。自分が収穫した野菜がそのままディナーに登場するかもしれない——そう考えるだけで、食卓への期待値が一気に上がります。
ランドスケープデザインは、歴史を踏まえた作庭を得意とする彌永秀一氏が担当。川から引いた流水を使い、かつて養魚場だった特殊な土地を再生しました。生態系調査の専門家とともに、動植物にとっても健やかに生きられるビオトープを目指しているといいます。
サウナ「風木水(FUKISUI)」:本物の贅沢がここにある
さとローグの中でも特に注目を集めているのが、宿泊者専用のプライベートサウナ「風木水(ふうきすい)」です。
敷地の一角に佇んでいたコンクリートの倉庫を改修し、内部に地元の檜(ひのき)をふんだんに使用したユニークなサウナ小屋です。薪には、林業で栄えた歴史を持つ奥多摩の木材を使用。扉を開けた瞬間から、檜の豊かな香りが鼻腔をくすぐります。
薪ストーブはエストニア製の「HUUM」。球形のサウナストーンが炉を取り囲み、揺らぐ炎が本当に美しいと評判です。セルフロウリュにはユーカリアロマが使われており、木の香りとアロマが重なった蒸気に包まれる体験は格別です。
水風呂は、すぐ横を流れる清らかな川の水を直接引き込んだもの。水道水とは比べ物にならない柔らかさで、頭まで浸けると「ぶっ飛びそうなくらい気持ちいい」という声も多数。外気浴スペースは2カ所あり、インフィニティチェアに横たわって目の前の緑と川のせせらぎに身を委ねる時間は、まさに至福のひとことに尽きます。
サウナ利用者の口コミを見ると、その体験の質の高さが伝わってきます。
「奥多摩のヒノキ材で仕上げられた小さなログハウスのような薪サウナで、入った瞬間、香りが素晴らしい。自分で薪を焚べ、じわりじわりと室内が温まるのに合わせて、自分の体もじんわりと温まっていく……水風呂は、すぐ横の川から直接汲んだ天然水でヒノキ製の升風呂タイプ。水面に映る木々の緑を見て、うっとり。まさに自然と一体化したような整い体験」
「木と水と空気に、全身で浸って、五感で味わうサウナ『風木水 FUKISUI』。本当の贅沢とは、なんなのか? そんなことを考えさせてくれる、素晴らしい体験だった。絶対にまた行きたいと思わせてくれる、大好きな場所になりました!」
サウナ好きを唸らせるだけの作り込みがあることは、これらの声からも明らかです。
レストラン「時帰路(TOKIRO)」:奥多摩を食べる、という体験

写真引用:アゴダ
もうひとつの大きな魅力が、レストラン「時帰路(ときろ)」の料理です。
コンセプトは「沿線ガストロノミー」。地域の風土・歴史・文化を料理で表現するという思想のもと、シェフが庭で育てた野菜、地場の野菜や川の恵み、多摩川流域の生産者から届く食材を、フレンチの技法で仕上げていきます。



番組より
厨房を守るのは、青梅線沿線に移住した若き二人のシェフ。地元の方々から郷土料理を教わり、生産者のもとへ足を運び、自家農園で野菜を育てながら、この土地での暮らしを料理に落とし込む日々を送っています。
朝食も特別です。温かな白湯に始まり、湧き水で炊いたご飯、清流で育ったヤマメ、朝採れ野菜——川面を眺めながらいただく朝食は、「目覚めたばかりの心身に取り入れたいものを厳選した」と説明されています。
宿泊者への口コミにも、食事への高い評価が並びます。
「施設内に山の水を引き、地面に土を敷いて作った自家農園で採れた無農薬野菜のフルコース。里芋、かぶ、柿、玉ねぎ、わさび菜、秋茄子、落花生、イチジク、鮎、川魚などなど。奥多摩を食べているような、全皿の一口一口に、驚きが溢れ出てしまいました」
食べログに掲載されたレストランへの評価でも、「奥多摩の清流を眺めながらコースで味わう青梅・奥多摩、多摩川源流域の食材。美味しさはもちろん、ゆっくりと過ごす心地よく貴重な時間。東京にもこのようなステキな場所があるんですね」という声があります。
なお、レストランは宿泊者向けのディナーに加え、完全予約制のランチ営業も行っており、宿泊せずにコース料理だけを楽しむことも可能です。
奥多摩の里山体験が、さらに旅を豊かにする
さとローグを拠点にすれば、鳩ノ巣・奥多摩エリアの散策も充実します。鳩ノ巣渓谷のハイキング、奥多摩産のクラフトビール(VERTEREなど)、わさびツアー、サイクリングツアー、森林セラピーなど、アクティビティの選択肢は豊富です。
宿周辺には21の集落と13の駅が点在しており、「その何気ない景色にもいわれがあったり、地元の人だからこそ知る物語があったり」と施設側も案内しています。スタッフに声をかければ、とっておきのスポットを教えてもらえます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | Satologue(さとローグ)Satologue Ome 鳩ノ巣棟 |
| 住所 | 東京都西多摩郡奥多摩町棚澤1 |
| 電話 | 0428-85-9310(9:00〜17:00) |
| 定休日 | 火曜・水曜(土日祝日の場合は翌日) |
| 料金 | 一泊5万5,000円〜(2名・夕朝食付) |
| アクセス | JR青梅線「鳩ノ巣」駅より徒歩約20分(送迎あり)/「古里」駅より徒歩約15分 |
| 駐車場 | あり(4台、宿泊者無料) |
| 公式サイト | https://satologue.com |
まとめ:5万5,000円が「高くない」と思える宿
一泊5万5,000円〜という価格は、確かに高額です。でも、そこに含まれているものを考えると、見方が変わってきます。
建築家・堀部安嗣氏が設計した古民家の宿泊空間、地元産の薪を使う本格プライベート薪サウナ(川の天然水の水風呂・外気浴つき)、奥多摩の食材を使ったフルコースのディナーと朝食、お庭さんぽや収穫体験、無人駅チェックインのプチツアー——これだけの体験が一つのパッケージに詰まっています。
「東京から90分で、本物の里山体験ができる場所」として、さとローグはまさに唯一無二の存在といえるでしょう。番組を見てピンときた方は、ぜひ早めに予約を検討してみてください。人気が高まる一方で、予約が取りにくくなっているとの声もあります。
奥多摩の新緑の季節、あるいは秋の紅葉のシーズンに、ここで過ごす一泊はきっと忘れられない旅の記憶になるはずです。

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