記事内には、広告が含まれています。
『情熱大陸』鮭漁師・伊藤正吉とは?第二十一北洋丸とブランド魚「知床桜鱗」への挑戦
2026年10月4日放送のMBS・TBS系『情熱大陸』に登場するのは、北海道・知床の海でサケ・マス漁を続ける鮭漁師、伊藤正吉さんと「第二十一北洋丸」です。
テーマは、「日本の鮭は俺たちが守る」。
鮭の町として知られる北海道斜里町ですが、近年は海の環境が大きく変わり、秋鮭は深刻な不漁に直面しています。
そんななか、ただ魚を獲るだけではなく、ブランド魚の開発、昆布養殖、加工・販売、SNSでの情報発信、さらには海洋環境の保全まで手掛ける伊藤さん。
なかでも気になるのが、第二十一北洋丸が立ち上げたブランド魚「知床桜鱗(しれとこおうりん)」です。
いったいどんな魚なのでしょうか。
10月4日『情熱大陸』は鮭漁師・伊藤正吉と第二十一北洋丸に密着

イメージ画像です(AI制作)
2026年10月4日の『情熱大陸』は、鮭漁師・伊藤正吉さんと、彼が率いる「第二十一北洋丸」に密着します。
放送は午後11時15分~11時45分。番組公式サイトでは、
「日本の鮭は俺たちが守る 知床の海に生きる12人の男たち」
と紹介されています。
舞台となるのは、北海道東部、知床半島に位置する斜里町。
斜里町は長年、鮭の漁獲量で全国トップクラスを誇ってきた地域です。ところが昨年の日本の秋鮭は、約50年ぶりとされる歴史的な不漁に見舞われました。
筆者は斜里川に釣りに行ったことがあるので、すごく気になりましたね。海ではないですけど。
不漁は海水温上昇に伴うプランクトンの減少などが要因の一つとして考えられていますが、原因についてはまだ明確には分かっていません。
さらに2026年は、秋鮭の来遊数が前年よりさらに少なくなることも予想されています。
つまり今回の『情熱大陸』は、単なる「豪快な鮭漁」のドキュメンタリーではありません。
鮭が獲れなくなりつつある海で、漁師はどう生き残るのか。
そこが大きなテーマになりそうです。
第二十一北洋丸は12人のチーム

番組情報より
伊藤正吉さんが率いる「第二十一北洋丸」の乗組員は12人。
船長をはじめ、漁を指揮する船頭、機関士、海中の網を管理する潜水士、巨大な漁具を動かすクレーン操縦士、そして網を手繰る漁師たちが、それぞれの役割を担っています。
番組では、鮭漁を「究極のチーム戦」と表現しています。MBS
興味深いのは、漁師というとベテランぞろいのイメージがありますが、第二十一北洋丸はかなり若いこと。
12人のうち半数が30代以下だそうです。
しかも若手漁師たちは、YouTubeやTikTok、Instagramなども積極的に活用。「漁師あるある」や実際の漁の様子、ときにはライブ配信まで行っています。
『情熱大陸』公式サイトではSNSのフォロワーは9万人超と紹介されています。一方、2026年7月取材の北海道の情報サイト「くらしごと」では、総フォロワー数が11万人を超えているとされています。集計時期や対象SNSの違いはありそうですが、いずれにしても漁業者としてはかなり大きな発信力です。
伊藤正吉さんの経歴は?もともとは教師志望だった
伊藤正吉さんは1971年、北海道釧路市生まれ。
5歳のときに斜里町へ移り住みました。
意外なのは、最初から漁師を目指していたわけではないことです。
中学生時代はバレーボールに打ち込み、斜里の代表として全国大会にも出場。その実力を評価され、札幌の東海大学第四高校、現在の東海大学付属札幌高校に推薦入学しています。
ポジションはセッターでした。
当時の夢は、大学へ進学して教師になり、バレーボールを教えること。
しかし学費の問題に悩んでいたところ、父親から「漁師をやらないか」と声をかけられ、18歳で漁師の世界に入ります。
その後、ホタテ漁や刺網漁を経験し、母方の親族が営んでいたサケ定置網漁の会社へ。
20代の終わりごろには、現在の北洋共同漁業部につながる漁業部を引き継いだとされています。くらしごと
今では30年以上、オホーツクの海と向き合うベテラン漁師です。
「魚を獲るだけ」から新しい漁業へ
現在の伊藤さんの活動は、いわゆる昔ながらの漁師のイメージとはかなり違います。
サケ・マスの定置網漁はもちろん、魚の加工や直接販売、自動販売機の設置、イベント開催、ブランド魚開発、SNSでの発信にも取り組んでいます。
さらに2026年からは昆布養殖にも本格的に挑戦。
海藻を育てることで藻場を再生し、海洋環境を守ることも視野に入れているそうです。初年度は流氷やヨコエビによる食害で大半が失われるなど厳しいスタートでしたが、試行錯誤を続けています。くらしごと
番組では、昆布を使った「昆布ジェラート」の開発についても紹介される予定です。
魚が少なくなれば、獲る量だけを追いかける漁業では将来がありません。
そこで「魚そのものの価値を高める」という考え方から生まれた代表例が、ブランド魚「知床桜鱗」です。
ブランド魚「知床桜鱗」とは?

「知床桜鱗」は、第二十一北洋丸が手掛ける天然サクラマスのブランドです。
読み方は「しれとこおうりん」。
北洋丸公式サイトによれば、春先の短い期間に知床・斜里沖で獲れるサクラマスは、脂のりがよく、しっとりとした身と上品な味わいが特徴です。
しかし伊藤さんたちには、
「こんなにおいしい魚なのに、なぜあまり知られていないのか」
という思いがあったといいます。
そこで、漁師の感覚だけで「いい魚」と判断するのではなく、一定の基準を設けてブランド化したのです。北洋丸
「知床桜鱗」を名乗るための6つの条件

知床桜鱗なら、斜里で獲れたサクラマスなら何でもいい、というわけではありません。
かなり厳しい6つの条件があります。
- 斜里町で漁獲された天然サクラマスであること
- 船上で活締めし、血抜き・神経抜きを行うこと
- 徹底した温度管理を行うこと
- 胃洗浄を行い、鮮度を維持すること
- 傷のない美しい魚体を漁師が選別すること
- 魚体2kg以上、脂肪率8%以上であること
特に面白いのが「胃洗浄」です。
専用器具で魚の胃の中の内容物を取り除くことで、内臓を残した状態でも輸送中の腐敗を抑え、鮮度を維持します。
さらに「フィッシュアナライザ」と呼ばれる機器を使って魚の脂肪率まで測定。脂肪率8%以上、魚体2kg以上という条件をクリアした個体だけが「知床桜鱗」を名乗ることができます。
つまり、「大きそう」「脂がのっていそう」という漁師の経験だけではなく、数値によって品質を証明するブランド魚なのです。
知床桜鱗は最初まったく売れなかった?
今ではブランド魚として知られるようになった知床桜鱗ですが、最初から順調だったわけではありません。
北海道の情報サイト「くらしごと」の取材によると、伊藤さんたちは北海道各地のサクラマスを調べ、脂肪率などを比較しながらブランド化を進めました。
しかし最初に高価格で市場へ出した15匹は、なんと一匹も売れなかったそうです。
そこで値下げするのではなく、地元飲食店へ無料で提供して味を知ってもらう作戦に転換。
さらに「知床桜鱗祭り」という独自イベントを開催しました。
実際に食べた人から評判が広がり、2年目には魚が足りなくなるほど人気になったといいます。
これは面白いエピソードですね。
ただ高級魚として名前を付けただけではなく、漁師自身が品質を証明し、食べてもらい、ブランドを育てていった魚というわけです。
不漁の時代に「鮭日本一の町」をどう守るのか
今回の『情熱大陸』で最も注目したいのは、やはり「鮭が獲れない」という現実でしょう。
2026年9月6日の秋鮭漁解禁日から番組は第二十一北洋丸に密着しています。
海に網を入れても、魚がいなければどうすることもできません。
だから伊藤さんたちは、漁獲量だけに頼らず、魚の高付加価値化、加工、直販、昆布養殖、SNSによる漁業の魅力発信、海岸清掃やブルーカーボンなどへ活動を広げています。
第二十一北洋丸公式サイトには、「斜里で魚を獲り、斜里に生きる」とあります。
その言葉どおり、伊藤さんが守ろうとしているのは自分の船だけではなく、鮭漁を中心に成り立ってきた斜里という町そのものなのかもしれません。
まとめ
2026年10月4日の『情熱大陸』に登場する伊藤正吉さんは、18歳から30年以上にわたって知床・斜里の海と向き合ってきた鮭漁師です。
現在は「第二十一北洋丸」を率い、若い漁師たちとともにサケ・マス定置網漁を続ける一方、ブランド魚「知床桜鱗」の開発、昆布養殖、加工・直販、SNS、海洋環境保全など、新しい漁業にも次々と挑戦しています。
なかでも「知床桜鱗」は、船上活締めや胃洗浄、厳密な温度管理に加えて、2kg以上・脂肪率8%以上という数値基準まで設定した天然サクラマス。
単なるネーミングではなく、「知床の魚のおいしさを正当に評価してもらう」ために作られたブランドなのですね。
約50年ぶりともいわれる秋鮭の歴史的不漁のなか、果たして2026年の秋、鮭は知床へ帰ってくるのでしょうか。
海の変化と向き合いながら、「鮭日本一の町」を次の世代へ残そうとする12人の漁師たち。その姿が今回の『情熱大陸』最大の見どころになりそうです。

コメント